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金沢アート&ミュージアムガイド -金沢よるまっし-

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金沢21世紀美術館 イベント

イベント・行事名
時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの
会期
2022年10月1日~2023年3月5日 10:00~18:00(金・土曜日は~20:00) 開催中
詳細
イヴ・クラインは、吸い込まれるような鮮やかで深い青―インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)―で有名な、青の作家として知られています。荒廃した戦後の「タブラ・ラサ(白紙)」ともいえる状況から、彼は新しい人間性を探求する作家として、彗星のごとく登場しました。クラインが20歳の時、詩人のクロード・パスカルと彫刻家のアルマンとともに過ごしたニースの浜辺で、3人で「世界を分割する」ことを思いつきます。クラインが欲したのは「青空」であり、空に向かって署名することで、空とその無限性を作品として手にしたとされるエピソードは、彼の「非物質性」、「精神の自由」、「空間への飛翔」、「宇宙的な想像力」への関心を示しています。
また、アクションやパフォーマンスを通し、最も非物質的で精神的であると考えた「青」に代表される色や火、水、空気などを用いることで、芸術を物質として見せるのではなく、「感性」を通して触れられるようにしました。若き日に来日したクラインは、柔道の黒帯を取得し、精神と身体の関係を探求したことでも知られています。
同時代、廃墟から立ち上がり、自分の身体や物質、空間の関係をゼロから見直すような実験的な芸術の試みとして、イタリアでは空間主義運動、ドイツなどでは「ゼロ」、日本では「具体」などが展開されました。本展は、イヴ・クラインを中心に、こうした同時代作家、さらに現代の作家を加えて、彼らの芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせます。
私たちは、現在、気候変動やウィルス、インターネット情報環境など無数の「見えないもの」が起こす混乱の中で、実体が見えない不確かさの中にいます。それゆえに、クラインの非物質性が生み出す感性や精神性の探究は、ポストインターネット世代を含む現代の芸術家たちの創作にインスピレーションを与えています。本展は、いま、ここにないものを感じ、想像し、不確かな現在を乗り越えていく喜びと力を私たちに与えてくれることでしょう。